琴柱
「琴柱(ことじ)」は、お箏の胴の上に立てて、その上に渡す絃を支え、その位置を動かすことで、音程を調整するものです。
お箏の上に載っている13個の白い駒みたいなものが「琴柱」です。
材質は、鯨骨や象牙製が用いられていましたが、輸入が困難なこともあり、現在はプラスチック製を使う方が多いようです。
形は、12個は同じです。一番手前の巾の弦に使う琴柱のみ、「巾柱(きんじ)」といってお箏の側面に引っ掛けられるように特殊な形をしています(写真左側)。
もともとは、全部同じものを使用していたようですが、絃が絹糸からテトロン製・ナイロン製に変わり、強く張るようになってから、竜角にいちばん近い巾の絃はその張りの圧力が一番強く、琴柱が倒れやすいため、安定するように工夫されたようです。
ところで、金沢の兼六園に行かれたことはありますか?
兼六園には、園のシンボルとして知られ、よく写真でも目する二本足の灯篭があります。
「徽軫灯籠」と書いて、「ことじとうろう」と読みます。
琴柱の形に似ているため、その名が付いたと言われています。
同じような形の灯篭は、東京都江東区の亀戸天神社にもあります。
目立たないところにありますが、兼六園のものより大きいそうです。
行かれる方は、是非探してみてくださいね。
参考:『箏と筝曲を知る辞典』宮崎まゆみ著 東京堂出版, 2009