お箏と龍
お箏の各部分の名称には「龍」の付く名前がたくさんあります。
龍は、普段は水中に住み、春になると天に昇り恵みの雨をもたらすといわれていました。このことから、豊作につながる成功と福運の象徴となりました。古来中国では、龍を大変崇め、高貴さと位の高さを表すものとなりました。
お箏は、中国から伝来した後、上流階級で雅楽の楽器として使われたこともあり、その形を高貴な龍に例えて、各部分の名称が付けられたようです。
お箏を眺めて、こちらが頭、こちらが尻尾、と思うと、なんだか愛着が湧くと同時に、丁重に扱わねば、と心改まりますね。
*図は二見屋邦楽器店様よりご許可いただき転載させていただいております。