琴爪
お箏を弾く時には、「琴爪」をつけます。
「琴爪」は、白い爪に輪っかがくっついた形をしていますが、お箏屋さんでは、爪の部分と輪っかの部分(爪輪)が別々に売られています。
それぞれを購入し、貼り合せて「琴爪」にして使用します。
爪の形は流派によって異なります。生田流は四角く、山田流は丸くなっています。
(箏の波は生田流ですので、写真は生田流の爪になります)
爪は主に象牙やプラスチックでできています。弾きやすさや音色の良さから、やはり象牙が主流の様です。
爪輪は、皮(猫皮)、皮にエナメルをコーティングしたものなどがあります。
爪は長持ちしますが、爪輪は傷んだり緩んできたら新しいものと交換する消耗品です。
「琴爪」を指にはめる位置は、演奏に大きく影響が出ますので、爪輪を選ぶ際は、大きすぎず小さすぎず、指のちょうど良い位置にぴったりはまるものを選ぶことが重要になります。
また、爪の材質や厚み、削り方によっても合わせる爪輪の大きさが変わってきますので、交換の際は、お手元の爪と、ご自身の指にあった大きさの爪輪を選び貼り合わせます。
貼り合わせる爪の角度も、指の反り具合により人それぞれ弾きやすい角度があります。
貼り合せる作業は、始めはお琴屋さんでやっていただけますが、お稽古をされている方は、皆さんご自分でなさっているようです。
クラリネットやサックス奏者が自分でリードを削るように、道具を加工してより美しい音色を追及することは、洋の東西問わず、演奏者の本能と言えるのかもしれませんね。