糸締め
お箏の絃は、時間とともに摩耗して毛羽立ってきたり、緩んできたりします。
時期を見て、お琴屋さんに張替えをお願いします。
お箏の世界では絃の張替えのことを「糸締め」と言います。
「糸締め」には2種類あります。
一つは「新糸(あらいと)」もう一つは「天地(てんち)」と言います。
「新糸」というのは、文字通り「新しい糸に張りかえる」ことです。
箏から糸を外して、全て新しい糸に替えることを言います。
「天地」というのは、新糸に替えた後、次にもう一度締め直す時に使う方法です。
お箏は端の方で絃がぐるっと巻かれていますね。
巻かれた部分は、万一、切れてしまった時に引き出して使う、いわば予備の絃なのですが、
「天地」というのは、今使っている部分と、その予備の部分とで、絃をひっくり返して張り替えることを言います。
つまり長い一本の「新糸」を、最初に半分使い、次に「天地」を替えて残りの半分を使うことになる訳です。
この長い13本の絃全てを、それぞれに見合った張力で締めていくというのは、まさに職人さんの為せる技。
いつもお世話になっているお琴屋さんには心から感謝です。