演奏会の準備
お箏の演奏会は、少人数のものもありますが、1曲を10人以上で弾くこともあります。
規模の大きい会では、それが何曲もあります。
いったい、総勢何名の方が出演されているのでしょうか。
聴く方にとっては、迫力のある大舞台ですが、出演者にとっては練習もさることながら、その前の準備が大変です。
出演者全員が、自身の楽器を持って参加します。
お箏本体の他に、琴柱が13個、お箏を包むカバー、持ち運び用のケースが必要です。
これらが人数分(場合によってはプラスアルファ)、楽屋に運び込まれ、曲ごとに、舞台上に並べられます。
慌ただしい舞台展開の中、多数のお箏が行ったり来たり。
想像するだけで起こりうるリスクが思い浮かびます。
そうです。どれが誰のものか分からなくなってしまうのです。
そこで、出演者にはあらかじめ、準備について細かな指示が配布されます。
基本は、お箏はもちろん、琴柱一つ一つに至るまで、全てに名前を書き入れます。
お箏本体には、弾く曲と担当するパートを書いたラベルも貼っておきます。
本番で演奏されるのはたった1曲、数分のこと。
その1曲のために、演奏者の方は練習をし、リハーサルを重ね、道具の準備をされて臨まれます。
演奏会は、演奏者の他にも、会を企画・運営する人、お箏を運搬・セッティングする人、舞台の照明・音響を作る人、その他多くの裏方の人たちがなくては成り立ちません。
1つの舞台に、なんて大勢の人の力が合わさっていることでしょうか。
一期一会の演奏会の時間。
聴く人も含め、皆さんで大切に共有できると、素晴らしいですね。